アニリンカーフレザーを水洗いする方法【がっつり丸洗い】

アニリンカーフレザーを水洗いする方法

本革の中でもデリケートなアニリンカーフ

アニリンカーフというのは子牛のきめ細かな最上級の革を水性染料を使って使って仕上げた最上級レザーです。水性染料を使い、油分の少ないアニリンカーフクリームなどで手入れするため革の質感がはっきりと伝わるのが魅力ですが、デリケートな素材なのでシミになりやすく手入れも大変というデメリットもあります。

アニリンカーフの手入れは専用クリームを薄く塗って乾拭きするようなメンテナンスが基本ですが、今回は水洗いでガッツリ洗ってみました。

アニリンカーフは通常のレザー以上に水厳禁なので水洗いは非推奨です。本記事では私が実際に手入れしたものを紹介しますが水洗いをおすすめしているわけではありません。

目次

アニリンカーフレザーの水洗いメンテナンス手順

今回行ったウォッシュクリーニング手順はは以下の通り。

  1. 35度くらいのお湯で押し洗い
  2. サドルソープで淡洗い
  3. 軽くすすぐ
  4. タオルなどで脱水
  5. 新聞紙などで型くずれを防ぎつつ干す
  6. 完全に乾ききる前にデリケートクリームを塗る
  7. 陰干しで完全に乾かす
  8. 乾いたらアニリンカーフクリームで仕上げる

写真付きで解説していきます。

アニリンカーフのバッグを水洗い

kazuyuki kumagai アニリンカーフレザー

今回使用するのはこちらのkazuyuki kumagaiのアニリンカーフレザーのショルダーバッグです。

柔らかい革質とキレイなドレープ感が好きでよく使ってましたが、水濡れやらでシミになっていたりカフェラテこぼしてしまったりした部分があったので本格的に洗いたいなと思っていたので試しに洗ってみました。

細かいシミがいくつも点在
細かいシミがいくつも点在

アニリンカーフのシングルライダースも洗ってみたいなーと思っていたのでまずはバッグでお試しです。

お湯で押し洗い

お湯に漬ける

今回は致命的な汚れがなかったので今回はいきなりお湯にぶち込みました。

お湯は革が縮まないように30度程度が良いんじゃないでしょうか。

あからさまな油汚れなどがある場合はステインリムバーなどで汚れを落としてから水洗いを行うと効果的です。

アニリンカーフは水性染料ということもあり、お湯で軽く洗っているだけで結構色が抜けます。

お湯によって染料が溶け出している

すすぎ回数を増やしてしまうと色が抜けちゃいそうだったので数回洗う程度にしておきました。

サドルソープで汚れ落とし

泡で水洗い

レザーの水洗いの定番サドルソープを泡立てて革全体を洗っていきます。

今回は泡洗い後に、しっかりゆすぎを行いましたがこのサドルソープは革を傷める成分は入っておらず保湿成分が含まれているため、完全に洗い落とす必要がありません。

サドルソープはゴシゴシ力強く洗わずに、洗顔を行うように付属のスポンジでしっかりと泡立ててから泡で洗うように使いましょう。

タオルなどで脱水

裏返して反対側も脱水

洗濯機の脱水はちょっと怖いのでタオルを押し当てるようにして脱水を行いました。

カバンを裏返して反対側もしっかりと脱水しておきます。アニリンカーフは裏面もきめ細かくてキレイです。

新聞紙などで型くずれを防ぎつつ陰干し

新聞紙などで型くずれを防ぎつつ陰干し

新聞紙などを使って型くずれしないようにして陰干しします。

定期的に位置を動かしたり革を軽く伸ばしたりして跡がつかないようにしておきます。

デリケートクリームで保湿

デリケートクリームで保湿

現在は水洗いによって油分が抜けてしまっているので完全に乾ききる前にデリケートクリームで保湿します。

余計な成分が入っておらず、浸透性が高いクリームなのでアニリンカーフにも最適です。

デリケートクリーム
ノビが良いので手で塗ると楽

アニリンカーフクリームで仕上げ

乾いたところで仕上げにアニリンカーフクリームを塗っていきます。

デリケートクリームと似た成分ですが、ろうやワックスが少量入っているので素材の質感を保ったまま光沢を出すことができます。

薄く塗って乾拭きしたら完成です。

アニリンカーフ丸洗いの結果から見るメリット・デメリット

柔らかさを保持しています

実際に洗ってみた結果、乾いた後も大きな問題はありませんでした。

ただしアニリンカーフというデリケートな素材の特性上、完全に元通りとはいきません。

洗ってみた率直な感想としてはレザーとしては全く問題なく丸洗いできるけどアニリンカーフ特有の透明感は消える可能性が高いという印象です。

アニリンカーフレザーの丸洗いのメリット

  • シミや汚れは目立たなくなった
  • アニリンカーフの柔らかさは健在
  • 色落ちは無し(厳密には色落ちしたが見た目的な変化はなし)

どうなることかと思った丸洗いですが、アニリンカーフ特有の革の柔らかさも健在かつシミもある程度消えました(光の加減ではうっすら見える程度)

また、元から濃い色だったため見た目に現れるレベルの色落ちも無く思った以上に上出来といった印象です。

アニリンカーフ丸洗いのデメリット

  • アニリンカーフ独特の質感・透明感が消える
  • ある程度はシミや汚れが落ちるが完全には消えない
  • クリームの塗りムラなどで別のシミができることがある

乾いてすぐの状態のときはかなり良い感じかなと思ったんですが、洗う前と全く同じようには行きませんでした。

洗う前と跡の比較

洗いの前後比較
Before / After

写真だとわかりにくいですが、光の加減とかであって色味も、触った感じもすごく大きな変化はありませんが、アニリンカーフ独特の透明感は薄れてしまっています。

手触りの変化はサラサラからツルツルに変化したような印象です。アニリンカーフからきめ細かいラムレザーっぽい質感に変わってしまいました。

基本的には洗わずに済むのが一番ですが、致命的な汚れがついてしまいどうしても水洗いしたくなったら参考にしてみてください。

M.モゥブレィはアニリンカーフレザーの手入れに最適

M.モゥブレィはアニリンカーフレザーの手入れに最適

今回使用したケア用品はすべてシューケアで有名なM.モゥブレィのもの。最後に利用したメンテンナスグッズをまとめます。

M.モゥブレィ ステインリムーバー【汚れ落とし】

汚れが激しい場合は最初にステインリムーバーで汚れを落とすとサドルソープで落ちないような強固な汚れも落としやすくなります。

汚れのレベルに応じて取り入れると良い感じです。

>>ステインリムーバー

M.モゥブレィ サドルソープ【保湿洗剤】

丸洗いに欠かせない本革洗剤のサドルソープ。

革靴を洗う際にも役立つので持っていると結構役立ちますよ。

しっかり泡立ててから使用しましょう。

>>サドルソープ

M.モゥブレィ デリケートクリーム

本革の化粧水のような感覚で使える浸透性の高い保湿クリーム

完全に乾ききる前に塗っておけばいい感じに革に保湿成分が浸透するので乾燥時に水分が失われる際に革内部が乾ききってしまうことを防ぐことができます。

丸洗いする際には欠かせないクリームになります。

>>デリケートクリーム

M.モゥブレィ アニリンカーフクリーム

アニリンカーフレザーを手入れする際は仕上げに使用したいクリームです。

デリケートクリームとほぼ同じ乳化性クリームですが、こちらのほうがしっかりと革に潤いと栄養を与えることができます。

光沢がでますが、少しベタつきがあるので軽く乾拭きして仕上げるようにするといい感じです。

>>アニリンカーフクリーム

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