海外ホテルのシャワーで戸惑いやすいのが、蛇口をひねってもバスタブにしか水が出ないタイプ。壁のハンドルをいくら眺めても分からないときは、浴槽へ水が落ちる蛇口そのものを見てみてください。上に付いた小さなつまみが、シャワーへの切り替えになっていることがあります。
同じように見える浴室でも、切り替えの場所や動かし方はさまざまです。ここでは蛇口やノブの形を手がかりに、シャワーの出し方を紹介します。お湯にならないときの見分け方や、床を水浸しにしないコツも後半にまとめました。
バスタブにしか水が出ないときは、蛇口のつまみを探してみる
浴槽の蛇口にある小さなつまみで、シャワーへ切り替えられるタイプがあります。
蛇口の上面に小さな棒や丸いつまみがあるタイプは、次のように使います。シャワーの真下を避けて試すと、切り替わった瞬間に冷たい水をかぶらずに済みます。
- 浴槽の蛇口から少量の水を出す
- 蛇口の上にある小さなつまみを引き上げる
- シャワーに切り替わったら、手で温度を確かめて水量を調整する
水圧がかかると、つまみが上がった位置に留まる仕組みです。水を止めたときにつまみが下がるものもあり、その場合は次に使うときにもう一度引き上げます。
壁に切り替え用のハンドルがあるタイプも
蛇口につまみがなければ、壁の「SHOWER」「TUB」「BATH」の文字や、シャワー・浴槽の絵が目印になります。温度や水量のハンドルとは別に、小さなノブがあれば、シャワー側へ回すタイプかもしれません。
ハンドルが3つ並んだ水栓では、左右が温水と冷水、中央が切り替えになっていることもあります。温度を変えているつもりで中央を回すと、水の出る場所だけが変わるわけです。
天井と手持ち、どちらから出るかを選ぶタイプ
天井のレインシャワーと手持ちのハンドシャワーが両方ある浴室では、絵の付いたボタンやノブで使う方を選びます。手持ちのヘッドから水が出ないのに音がするなら、頭上のシャワーが選ばれていることも。手元だけでなく、天井も見てみると状況が分かります。

バスタブがない浴室では
独立したシャワーブースなら、浴槽との切り替えはありません。レバーを引く・持ち上げる・回すと水が出るものや、水量と温度を別々のノブで調整するものがあります。温度のノブだけを動かしても出ない場合は、別の水量ノブやボタンを探してみましょう。

つまみが固くて動かない、動かすと部品ごとぐらつく場合は、力を加えるのはそこまでに。操作方法が違うのか、部品の不具合なのかは見ただけでは分かりません。「使い方を見せてもらえますか」とスタッフに実演してもらうと、その後も迷わず使えます。
水は出るのに、お湯にならないとき
最初に冷水が出るのは、配管に残った水が流れているためかもしれません。「H/C」や赤・青の表示を見て温度を調整し、少し流して温かくなるか確かめます。
温度のノブが途中で止まり、小さなボタンが付いている場合は、高温側へ回しすぎないための安全ボタンのことがあります。単に水を出したいだけなら、そのボタンを押して高温側へ回す必要はありません。
しばらく流しても冷たいままなら、洗面台ではお湯が出るかも見ておくと、問い合わせがスムーズです。「洗面台はお湯が出るけれど、シャワーだけ冷たい」と伝えれば、ホテルの人にもすぐ伝わります。水を出しっぱなしにして待ち続けるより、点検を頼む方がよい場面です。
反対に、熱湯しか出ず温度を下げられないときは使用を止めます。すぐに直らないようなら、別の部屋のシャワーを使えるか、部屋を替えられるかも相談できます。
床を濡らさないコツは、カーテンと水の向き
カーテンの下端はバスタブの内側へ
カーテンは、体に当たって跳ねた水を浴槽へ戻すためのものです。下端が浴槽の外に出ていると、カーテンを伝った水がそのまま床へ流れます。水を出す前に内側へ入れておくだけで、この水漏れを防げます。

半分だけのガラス板は、水を向ける方向がポイント
浴槽の半分ほどしかガラス板がなく、「これでは閉まらないのでは?」と思う浴室もあります。扉のように全体を囲うものではないので、空いている側へシャワーを向けると水が飛び出します。
ガラスで覆われた側に寄り、手持ちのシャワーを浴槽の内側へ向けると使いやすくなります。水量を少し下げるのも効果的です。閉められるガラス扉がある浴室なら、扉を閉めて使います。

足元に水がたまるなら、飛び散りではなく排水の問題かも
水の向きを変えても足元の水位が上がるなら、いったん止めて排水栓を見てみましょう。浴槽の栓が閉まっているだけなら、開けることで流れます。押す・引く・レバーで動かすなど形が違うので、開け方が分からないときは、海外ホテルの排水栓の開け方も参考にしてみてください。
栓が開いているのに流れない場合は、詰まりなどの点検が必要です。シャワーを止めて、フロントに「排水口の栓は開いているのに、水が流れません」と伝えましょう。
自分の不注意で床を水浸しにしてしまったら?費用と対処法
カーテンを外に出したまま使ってしまったり、浴槽のお湯を止め忘れたりすると、「修理代を請求されるのでは」と気になります。少し床を濡らしただけで必ず弁償になるわけではありませんが、客室や階下まで水が回ると、拭き取りだけでは済まないことがあります。
少しの水はねなら拭き取る。広がった水はホテルの人に見てもらう
浴室の床に少量の水がはねた程度なら、拭き取るだけで済むこともあります。ただ、カーペットまで濡れた、床一面に水がたまった、水がどこまで流れたか分からない場合は、フロントへ早めに知らせてください。表面が乾いても、床の下や隣の部屋まで濡れていないかは自分では確かめられません。
まず水を止め、安全にできる範囲でタオルなどで広がる水を吸い取ります。大量の水を一人で片づけようとせず、「シャワーの水が浴室の外まで出てしまいました」と伝えれば大丈夫です。濡れた範囲や蛇口・カーテンの状態も写真に残しておくと、あとで経緯を説明するときに役立ちます。撮影より、水を止めることと連絡を優先しましょう。
いくらかかる?清掃だけか、修繕まで必要かで変わる
「水浸しにしたら一律いくら」という金額はありません。拭き取りだけで損傷がなければ、追加請求なしで済む可能性もあります。カーペットの洗浄・乾燥、床や天井の修繕が必要になれば、その費用が問題になります。さらに部屋が使えなくなると、休業による損害まで請求される可能性があります。
実際に損保ジャパンの賠償責任補償の案内でも、浴槽のお湯があふれ、階下と周囲の部屋が使えなくなった例が紹介されています。浴室だけの水はねと、建物に水が染み込んだ事故では、必要な対応も費用も大きく違います。
請求を受けたら、金額だけでなく「どの場所に、どんな清掃や修理が必要なのか」が分かる明細・見積書をもらいます。排水の詰まりなど設備側の不具合もあったなら、その点も伝えてください。実際に負担する金額は、被害の内容や原因、現地の法律・宿泊条件によって変わるため、請求額がそのまま確定するとは限りません。
海外旅行保険が使えることも。金額を約束する前に相談を
自分の不注意による水漏れでも、加入している海外旅行保険の「賠償責任」が使える場合があります。エイチ・エス損保の保険金請求案内でも、ホテルの部屋を水浸しにした事故を挙げています。ただし、補償の有無や限度額は契約によって違い、ホテルからの請求がすべて保険で支払われるわけではありません。
保険に入っているなら、ホテルと賠償額を決めたり、支払いに同意する書類へ署名したりする前に、保険会社の事故窓口へ連絡します。写真に加え、ホテルの事故報告書、修理の見積書・請求書、支払い済みなら領収書も残しておきましょう。チェックアウトが迫っている場合も、その場で支払いを求められていることを窓口に伝えて相談できます。
使い方を聞きたいとき・不具合を伝えたいときの英語
操作が分からないときは「壊れている」と説明するより、「使い方を見せてほしい」と頼む方が用件が伝わります。
Could someone show me how to use the shower?
(シャワーの使い方を教えてもらえますか?)
浴槽からシャワーへ切り替えられないことを伝えるなら、こちらです。
I can’t switch the water from the tub faucet to the shower.
(浴槽の蛇口からシャワーへ切り替えられません)
水は出るものの、お湯にならない場合。
There is no hot water in the shower.
(シャワーのお湯が出ません)
排水が追いつかず、床に水があふれている場合。
The bathroom floor is flooding. The drain doesn’t seem to be working.
(浴室の床に水があふれています。排水がうまくいっていないようです)
電話で設備の形まで説明しにくければ、「Could you come to my room?(部屋に来てもらえますか?)」と部屋番号を添えれば十分です。フロントでこの画面を見せて伝えることもできます。
